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6月号 「血圧をはかりましょう!」
2025年8月日本高血圧学会は、従来の目標血圧を、「75歳以上は140 / 90mmHg、
75歳未満は130/80mmHg」だったのを「年齢にかかわりなく130mmHg / 80mmHg未満」に改定しました。これは何千人という患者さんのデータを分析して、血圧をしっかり下げた人の方が、脳梗塞や心筋梗塞といった動脈硬化の病気になる割合が低いといったエビデンスに基づいた判断になります。
目標血圧はもちろん大事なのですが、普通の家庭では、まず家に血圧計があるか。血圧計があっても使っているか?です。健康診断で高血圧を指摘されたら、まず血圧計を買いましょう。実際測ってみて使いやすいものが良いです。そして家での起床後安静時の血圧を1週間毎日はかって収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上の日が4日以上だったら、治療が必要な高血圧と言えるでしょう。
クリニックで血圧の薬を始めましょう。というと、「これから一生薬をのむのですか?」とよく訊かれます。毎日外食して、ラーメンの出汁をのみほしているような人が、入院して急に塩分制限のきいた病院食になると1,2週間でも血圧が下がって薬不要になったりします。また夜勤の仕事をしていた人が仕事をやめた途端に高血圧の薬3種類服用していたのが要らなくなった例もあります。ですが、普段、生活習慣をそこまで劇的に変えるのは難しいのではないでしょうか。血圧の薬をのみながらでも、生活習慣の改善があれば血圧が下がってきますので、薬を減らしたり中止したりできます。そのためには、家でちゃんと血圧計測を続けることが大切です。
血圧は実は腕や手首だけでなく、足首でも測定できます。先日NHKの「トリセツ」という番組で足の血管がつまっておきる「足梗塞」がとりあげられて話題となりました。足首の血圧は腕の血圧より高いのが正常です。足の血圧が腕の血圧の7割以下に低下すると、歩くとふくらはぎが痛くなり、休むと治るという間欠性跛行がおきます。足首の血圧は血圧脈波という検査で計測できますので、心配な方にはお勧めします。あと、人間の身体で唯一はだかの動脈が観察できるのは眼底です。糖尿病や高血圧で動脈硬化が心配な方は、お近くの眼科で一度眼底を見てもらいましょう。
冒頭述べた高血圧のガイドラインが変わったからといってクリニックで処方する薬を急に増やしたりはしていません。ただ、最近気づいたのは、某飲料メーカーの健康茶の宣伝で「血圧130こえたら」と言わなくなったということです。最初この宣伝をみて、これは血圧130と140の間、健康と病気の境目をついた上手い宣伝だと思っていました。しかし今や血圧130をこえたら健康茶で「ごま」かすのではなく、「医療機関を受診しましょう」というメッセージなのかもしれません。
一般社団法人右京医師会 石坂 透