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3月号 「ドライアイは煩わしい」

 


空気が乾燥していると、眼の表面から涙液が蒸発しやすくなります。そのため、湿度が低下する秋~冬の時期は、ドライアイの症状が現れやすくなります。また、冷暖房の効いた部屋も湿度が低下するため、注意が必要です。
人は無意識下でも、3秒に1回の頻度でまばたきをします。しかし、目の前の作業に集中していると、まばたきの回数は減少します。その結果、涙液の蒸発が進行するうえに、分泌量も低下します。近年では、パソコンやスマートフォンなどの普及によって、VDT症候群(デジタル機器の操作によって、疲れ目やドライアイを引き起こす症候群)になっている人が増加傾向にあります。 また、まばたきをした瞬間、まぶたをきちんと閉じることができていない人もいます。
まばたきをきちんと行わないと、眼球表面の下の方が乾きやすくなります。この場合は、睡眠時に薄目を聞くクセがある人や、コンタクトレンズを普段装着している人に多いと考えられています。
残念ながら、ドライアイは治療を続ける必要がなくなる「完治」が得られる病気ではありません。 点眼などの治療を続けることで、生活の質を落とさないようにすることが治療の目的です。 ドライアイ治療は「悪化要因の除去」と「点眼薬による水分の補充」が重要です。
日ごろから「まばたき」を心がけて、不足している涙液の成分を補うための目薬などをさし続けた場合にのみ、症状をおさえることができるやっかいな病気です。

 


一般社団法人右京医師会 富井 聡

 

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