ホーム >  今月の健康アドバイス 2025年

6月号 「肺の健康について」

 


みなさんはCOPDという病気をご存じでしょうか。正式名称は慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)といいます。昔は肺気腫と言われていた病気です。いわゆるタバコ病です。もちろん原因は喫煙ですので先天的な原因がない限り喫煙しなければCOPDにはなりません。
COPDになると階段や坂を少し上るだけで息切れをおこすようになり、病状が進んでくると平坦な道でもすぐに息切れが出るようになります。風邪などのウイルス感染で急に息切れが強くなり入院加療が必要なこともあります。急性増悪といいます。このような状況になると命を落とすことも稀ではありません。
COPDで怖いのは肺だけの問題ではなく全身に影響を及ぼすことです。肺機能が低下することで動くのがしんどくなり活動をしなくなります。そうなると筋力の衰えや栄養失調につながり寝たきりに近づいていきます。このような状況をフレイルといいます。
このようにCOPDは肺の問題だけでなく全身に影響が及ぶ病気なのです。早期に発見し治療を開始することで肺機能の低下を遅らせることができフレイルの予防につながります。喫煙歴がある方で心配な場合は医療機関を受診するようにしてください。


 


一般社団法人右京医師会 田渕 弘明

 

今月の健康アドバイス バックナンバー